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保育士配置の最低基準の見直しを求める陳情書に賛成討論

 11月30日 保育士配置基準の陳情書に対する賛成討論を行いましたので要旨を紹介します。。


 5陳情第11号国に対し「保育士配置の最低基準の引き上げと大幅な予算増額を求める意見書の提出を求める陳情書」に賛成の立場で討論します。

 今年6 月13 日に示された「こども未来戦略方針」において「75 年ぶりの配置基準改善」が明記され、1 歳児5 対1、4・5 歳児25 対1 とするとしています。

 実際にその中身は陳情書にもあるように、対象となる施設は定員121人以上で、保育士の勤続年数が平均12年以上というもので全国的にも4%にしかすぎない対象です。小金井市内では2園のみで、大変不十分です。

 しかも問題なのは、配置基準改善の中身が、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」に定めるいわゆる「最低基準」としての「保育士配置基準の改善」ではないということです。

配置を改善した施設に運営費を増額する「加算」による改善だということが、国会質疑や報道で明らかにされています。理由について政府は、「基準を引き上げると保育士確保が難しく現場に混乱が生じる可能性がある」ということです。国民に期待を持たせながら、期待はずれと言わざるを得ず、多くの関係者から批判の声が上がっています。家庭や子どもを取り巻く環境が変化しているにも関わらず、75年間も配置基準の見直しが行われない状況を看過できません。


 子どもたちにもう一人保育士を全国実行委員会が実施した「不適切な保育を考えるアンケート」では、今の保育環境では、自らも『不適切な保育』を起こしかねないと考えている保育者が全体の44%に上り、「いいえ」の24%を大きく上回っています。『不適切な保育』が起こる背景としては、「人手が足りない」「多忙でゆとりがない」がどちらも8 割を超えています。

 三重県桑名市で起こった重大事件の第3者委員会の報告書では、保育士1人が見る子どもの数が多く、余裕がなくなっている。この基準では不適切な保育のみならず、災害や防犯から子どもの安全・安心を守ることに困難が予想されるとも述べています。

小金井市内でも、ケガや置き去りの事故報告がこの5年間で14件も起こっています。


先のアンケートでは『不適切な保育』をなくすために“必要な対策”として、94%もの人が「配置基準の改善」を上げています。

同実行委員会が今年10月に内閣府に提出した意見書で、政府が主張する保育士不足について、政府が主張する保育士不足について次のように述べています。

 「保育士「確保」が難しくなっているのは、保育士の「定着」が進まないためです。保育士資格を持ちながら保育施設等で勤務していない、いわゆる「潜在保育士」は、有資格者の7 割にも上ります。保育士が不足しているのではなく、保育施設で働き続けたい保育士が不足しているのです。また、保育士として働く場合に求める条件として豊かな人員配置を求める項目が多く上がっています。」と述べています。

 政府は、働く環境が変われば、保育施設で働きたいという声を真摯に受け止めるべきではないしょうか。


 配置基準の見直しと合わせ、保育予算の増額が求められています。保育制度の変更が行われ、保育制度の変更が行われ、児童1人あたりに対する公定価格に基づく補助金となりましたが、その単価は低いだけではなく、定員が埋まらなければ保育施設の収入は減る仕組みとなっており、施設側からも悲鳴の声が寄せられています。保育予算の増額の点では、公立保育園の補助が廃止になったことに触れざるを得ません。


 政府が、公立保育園に対する補助を廃止した結果、公立保育園の運営が厳しい状況に置かれています。全国的にも数が減り続けており、セイフティネットの確保も危うくなっています。公立保育園への補助も復活させるべきではないでしょうか。子どもたちが健やかに育つ権利を保障するためにも、多くの議員の皆さんが賛成されることを謳えて賛成討論とします。

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