ひどい!難病者福祉手当条例 軽度者を除外する条例案が賛成多数で可決 日本共産党は反対しました
20日の最終本会議で、9月から継続審議となっていた「難病者福祉手当条例の一部改正案」が賛成多数で可決されました。採決態度は以下の通りです。私は日本共産党代表して反対討論を行いましたので、紹介します。
【賛成】16:自民党(遠藤、湯沢、吹春、河野)、公明党(宮下、紀、渡辺(ふ)、小林)、みらいのこがねい(立憲民主系:鈴木、岸田、村山)、こがねい市民会議(斎藤)、生活者ネット(田頭)、改革連合(篠原)、小金井の明日をつくる会(沖浦)、小金井をおもしろくする会(白井) 【反対】7:日本共産党(水上、たゆ、板倉、森戸)、情報公開こがねい(渡辺(大))、市民といっしょにカエル会(片山)、緑・つながる小金井(坂井)。(敬称略)
議案第62号 難病者福祉手当条例の一部改正案に対し、反対の立場で討論を行う。
今回の変更は、国の指定難病が331疾病に拡大したことを受け、福祉手当の対象疾病を増やすという点にあります。しかし一方で、対象疾病を拡大することから、財政的に厳しいことを理由に対象者を縮小するというものである。対象疾病を拡大することは、長年当事者が求めてきたものであり賛成できる。さらなる指定難病疾病の拡大が求められており、国に対し強く求めるものである。しかし私たちが反対する理由は以下の点で重大であると考える。
第1に、対象人数が大幅に増えるため、制度を維持することが困難として、軽度者や心身障害者福祉手当との併給者、施設入居者などこれまでの支給対象者の40%を対象から外すという重大な変更が含まれているためである。
この条例は、治療の方法が確立されておらず、回復することが困難な難病者の福祉の増進のために制定されたものである。
市議会厚生文教委員有志で開催した意見交換会では当事者から、「所得制限があるために医療費助成が受けられず、1回の注射代が1万円もする治療費を出さなければならない。家族の所得が高いからと言っても、自分には収入がない」、「難病に指定され、薬を飲み続けなければならなくなった。これからの不安がある」、「今は目が見え働けているが、将来視力が失われていく。その時のことを考えると不安である」などの声が寄せられた。
国はこの間難病者の医療費助成について、所得制限を設けるとともに、軽度者を対象から外してきた。これによって多くの軽度者が医療費助成もサービスも受けられなくなっているのが実情です。全国の難病者の会からも軽度者の医療費助成外しに対し、不公平感や生活への問題、難病研究への不安が寄せられている。今回の条例改正案はそれに輪をかけた変更であり認めることはできない。
第2は、大幅な条例改正であるにもかかわらず、市は、難病者の生活実態について何も調査をしていない。怠慢と言わざるを得ない。東京都の約1000名の調査結果を使って60%が働いていると説明するが、軽度が多いと言いたいのでしょう。しかし、軽度者であっても日によって症状が違い、何もなく働いているわけではない。実情を把握しているとは言難い答弁井原だ他市さえ覚ます。
市は難病の会に説明したというが、当事者は1人だけである。これで説明をしたとはいえない。議会をごまかすのも甚だしいと言わざるえない。
障害者総合支援法の制定の際に、「当事者を抜きで決めないで」との声があががった。今回の条例変更は当事者を抜きに決められるもので理解できない。
合理的配慮を求めた差別解消法や小金井市の障害のある人もない人も共に学び共に生きる条例に反するものである。
小 金井市内の難病者の実態はどうなのか、心を寄せて政策決定をしたということは説明の中では見られなかった。原因も分からない、治る見込みのない病いを抱えて一生生きていかなければならない難病患者。若い難病患者は「死にたい」と語る人もいる。こうした患者の立場に立った改正といえるのか。
今回の改正は難病者の尊厳を奪うものであり、許されない。
第3に市は、「軽度者が手当てを受けているが、自分たちでは難病かどうかがわからないため、医療費助成に沿った形にしたい」などと言う趣旨の心ない答弁をされた。
だいたい手当の手続きをする際には、医者の診断書を添付することになっており、医者は厚生労働省の基準に基づき、難病指定を判断している。まったく実情を知らないと言わざるを得ず、条例を改正する資格はないと思う。
第4に財政効果で生み出した財源で、レスパイト事業、相談窓口の充実、
災害対応をあげている。これらの対応は市がもともと予算化すべきで、手当てを犠牲にして、難病者を犠牲にしてやるべき性質のものではない。
第5は、現状を維持すれば、受給者数は1.9倍になり、1億8600万円になるため対象者を縮小するとしている。
しかもこの試算は、厚生労働省の試算を使ったとの説明だ。各疾病2名ずつの対象者が増えると仮定しているが、本当に2名ずつ増えるのか、疑問である。
難病情報センターの情報では例えば、101番の腸管神経禁節細僅少症は10年間で51人の発症、年間5人の発祥である。105番チャージ症候群は、100名程度の患者数と推定されている。151番 ラスムッセン脳炎は250人程度、202番スミスマギニス症候群は30人から50人程度と推定されている。
この数字をみても明かなように、各疾病が2名ずつ増えるという全く根拠のない数値で試算し、私たち市議会や市民をごまかすのは言語道断である。
市の難病者に対する軽んじた姿勢がこの数値にもこ表れている。根拠のない試算に基づく金額に市議会のみなさんごまかされないようにしようではりませんか。
こうした小金井市の難病者の尊厳を損ねる条例案は撤回し、あらためて難病者の実情を調査することを強く求め反対討論とする。